この町ならではの信仰が宿る裏路地
猫と人ひとりしか通れないほどの細い路地に、ひっそりと小さなお地蔵様。亀崎ではそんな光景が日常のそこかしこに溶け込んでいます。
せこみち(路地)や周辺で見られるお地蔵様は、里地蔵、半七地蔵、中町地蔵など地域のものもありますが、多いのは「鬼門地蔵」です。
鬼門とは「鬼が出入りする」とされる北東の方角。古来から陰陽道では万事に忌み嫌う方角として伝わってきました。その鬼門に、厄除けやお守りとして祀られているのが鬼門地蔵。亀崎のいくつかの個人宅では、壁や敷地内に設けられています。お地蔵様がこのように個人所有されているのは、全国的に非常に稀なことなのだそうです。
今では10数体ですが、数十年前には60体ほどあったという話や、もっと時代を遡って地域の地蔵も合わせると150体近くあったと語るご年配も。
お地蔵様の表情も祠もそれぞれ味わい深いので、鬼門地蔵めぐりも、またおすすめです。