あのころを思い出す情景
あちらこちらに古井戸のある風景。それも亀崎の町の特徴のひとつです。黒塀の家並みを縫う迷路のような「せこみち」(路地)、そのまんなかに井戸が残る場所も。
亀崎の井戸は人々の暮らしだけでなく、かつて根ざしていた酒造りにも利用されてきました。また神前神社の西の「里地蔵」の下にも昔は共有井戸があり、潮干祭の装束を洗っていたといわれています。
現在確認されているのは共有・個人所有あわせて10ヶ所あまり。それは、古くからこの地区に大勢が暮らしていた名残といえるでしょう。
いま井戸は災害時用に見直され、ステンレス製のポンプが新設されたものもあります。また亀崎3丁目の新しい店舗「三軒長屋」と 亀崎の尾道「大阪」とを結ぶせこみちの古井戸はテーブルとしても活用され、くつろげる休憩スポットに。
散策すれば、鋳物ポンプの井戸、トタン屋根の井戸、土間の奥の井戸、空き地に残る井戸、お地蔵様のある井戸……遠い記憶を呼び起こす井戸に出会えます。